英国の伝統とクラフツマンシップ、ユーモアと知性溢れるクリエイティビティを大胆に融合させた、革新的な“英国スタイル”を代表するブランドとして、独自の地位を築いた「マルベリー」。
ハービス店は20代から80代の女性まで、幅広い層に愛されるショップとなっている。

ブランド創立50周年を記念して、
アイコンバッグ”アレクサ“を復刻。

「マルベリー」は1971年に創業者のロジャー・ソウル氏が台所のテーブルを作業場とし、革の切れ端やスクラップレザーを使ってレザー小物を制作したことからスタートした。その後、歴代のクリエイティブディレクターたちが、英国らしさをものづくりの原点としながらも、その時代のライフスタイルに合わせて、それぞれの個性を生かした独自のスタイルを発揮し、ブランドの地位を築き上げてきた。たとえば、アレクサ、ベイズウォーター、アイリスなどのハンドバッグは、モダンながらもクラシックな魅力を備えた、英国デザインを代表するアイコニックなアイテムとして人気を集めている。そして、その伝統は今も変わることなく受け継がれ、新たなストーリーへと繋がっている。

2010年に初登場した”アレクサ“は、デザインチームが英国人モデル、アレクサ・チャンの気取りのない凛とした魅力にインスピレーションを得てデザインしたもの。かねてからマルベリーファンとして知られているチャンが愛用していた、ヴィンテージの「マルベリー」ブリーフケースをベースに採用。フロントにポストマンズロックをあしらい、昔ながらのフォーマルなシェイプをカジュアルでモダンなバッグにデザインし直し、”アレクサ“と名付けた。それはブランドを代表するシグネチャーバッグとして瞬く間に話題となり、圧倒的な人気を集めた。

そして、2020年11月にブランド50周年を記念してリリースした復刻版モデルも世界中で多くのファンの心を掴む。
復刻版は、環境保護に取り組む企業としての姿勢が反映されている。国際環境基準団体よりゴールドの認証を受けているタンナリーのレザーを素材に、カーボンニュートラル（※）な環境を整えた工房で制作したものだ。
2021年は将来有望な英国のコンテンポラリーデザイナーやアレクサ・チャンとのコラボレーションなどにもチャレンジ。既存のデザインや価値観に新たな解釈を加え、それぞれのデザイナーの個性が際立つコレクションとなっている

マルベリー」のマニフェスト、「Made to Last」。

ファッション・繊維産業は、いまだ世界の温室効果ガス排出量の10%を占め、持続可能な社会を実現する再生型・循環型ビジネスモデルへの移行スピードは充分とは言えない。「マルベリー」は、ブランド創立50周年という節目に、そのことに真剣に向き合うときが来たと考え、マニフェスト「Made to Last」を発表した。もともと地域密着型で、創業以来製品の半分以上を英国で制作している「マルベリー」。現在、英国の２つの工房はともにカーボンニュートラルを達成した。

また、レザー素材の買い付けに関して、土壌の改善や生物多様性の保全に積極的に取り組む農場経営者とのネットワークを構築。さらに、長く愛用していただけるよう、修理専門チームを備えた。そこでバッグを美しく復元する熟練の職人たちが年間10,000を超えるバッグの修理を行なう。そのほか再生可能エネルギー事業や、森林再生活動への投資など、様々にアプローチしている。
今年の秋にロンチするコレクションでは”二酸化炭素排出量が世界で最も少ないレザー“を使い”農場から完成品まで“の流れを一貫してまかなうローカルサプライチェーンを体現した英国製のバッグを発表する。

ハービス店でも「Made to Last」の取り組みをお客様にお伝えしている。「企業努力が伝わる」「ブランドに対しての愛情を感じる」。そして「そんなバッグとともに過ごしたい」とおっしゃっていただいている。コロナ禍の今だからこそ”楽しさ、嬉しさ“というプラスの感情をもっとお客様にお届けしたいという想いをスタッフが再確認した、大切なエピソードの一つだ。
※カーボンニュートラル＝温室効果ガス（CO2だけに限らず、メタン、一酸化二窒素、フロンガスを含む）の排出を、吸収または除去することで、全体としてゼロにすること。