「ブルディガラ」は、古代ラテン語で「ボルドー」という意味。その名の通り「ワインによく合うパンを提供したい」という発想のもと、「ブーランジェリー ブルディガラ」がハービスPLAZAに誕生したのは1998年のことでした。店頭に並ぶ本格的なフランスパンやクロワッサンに魅せられて、舌の肥えた人々や本場の味を求める外国人が絶賛。それから時代の変化に合わせて商品のラインナップは少しずつ変化してきましたが、「日常生活を少しだけ上質に」という基本的なコンセプトは創業時からずっと変わっていません。「ブルディガラが大切にしている“上質”とは、豪華なものや派手なものではなく、心のこもったもの、地球に優しいもの、体を大切にするものという意味です。いつもより少し体にいいものを召し上がって、今ある幸せを感じていただけたら。パンの一つ一つにそんな願いをこめています」と、店長の小橋奈美子さんはおっしゃいます。

「ブーランジェリー ブルディガラ大阪店」のパンは、粉の仕込みから、捏ね上げ、発酵、成形、焼成まですべてをお店の厨房で作り上げる“オールスクラッチ製法”で行なっています。「パンは毎日食べるもの。シンプルだからこそ丁寧に作り、素材の持つ本来の味を最大限に引き出したい」と、シェフの村山周平さん。「ミキシングのスピードや時間、発酵・焼成の時間と温度、季節や天候によってもパンの味は変わります。細心の注意を払い、持てる技術を結集して、お客様に喜んでいただけるおいしいパンを作ることが私たちの喜びなんです」。

レシピは食事パンだけで60種類以上。10種類以上の小麦粉を使いわけ、生地によってさまざまに配合を変えています。また、ショートニングやマーガリンはなるべく使わず、発酵バター、オリーブオイルなどを使用。発酵種のなかには、創業当時から使い続けている自家製自然酵母もあるそうです。

食事パンは季節によって少しずつ商品の入れ替えをしながら、常時15種類ほどが並びます。

たとえば、イタリア・トスカーナ地方の伝統的なパンである「パーネ・トスカーノ」。粗挽きのライ麦粉に2種類の強力粉をあわせ、つぶつぶしたライ麦の食感が感じられるように仕上げています。このパンのオリジナルは、塩を加えず水だけで小麦粉を練ることが多く「味なしパン」とも呼ばれますが、日本人にあうように質のいいオリーブオイルを使って軽さを出し、少し塩を加えて食べやすくしているのもポイント。煮込み料理やハムなどと相性抜群です。

定番人気の長時間発酵バゲット、さくさくのクロワッサン。
創意あふれる新作も

発酵に時間をかけて、粉本来の旨味を存分に引き出した「長時間発酵」のパンが多いことも「ブーランジェリー ブルディガラ」のパンたちの特徴です。最もシンプルな「バゲット・グルマン」は、創業時からリピーターが多く、いまも不動の人気を保ち続けているフランスパン。「仕込みを行うのは前日の朝。低温でまる1日かけてじっくりと発酵させてイーストの量を最低限に抑え、小麦粉の旨味をしっかり出しています」と、村山さん。小橋さんも「あっさりしているので、どんな料理にもよく合いますよ。サンドイッチにもぴったりです」と、自信をもって推薦してくださいました。

また、ハード系食事パンのなかで最も人気のある「セーグル・フリュイ」は、ライ麦30パーセントの生地に、ラム酒漬けレーズン、イチジク、カレンズとクルミ、オレンジピールを練りこんだ逸品。そのまま食べても、生ハムなどとあわせてもたまらないおいしさです。国産小麦粉を使った食パン「メイユール」も人気上昇中。生クリーム、ハチミツ、発酵バターをたっぷりと使い、湯種製法でもちもちの食感に仕上げています。「そのままでもおいしいですが、バターをのせてトーストすると絶品。ぜひお試しください」と小橋さん。

発酵バターを使ってさくさくに焼き上げた「クロワッサン・パリ」もオープン当初からの人気商品です。洋梨をのせたデニッシュ「ポワール」はお店で仕込んだカスタードクリームと洋梨のみずみずしさが絶妙です。クロワッサン生地にチョコレートを包んで焼き上げた「パン・オ・ショコラ」は、少し温めるとチョコレートが溶けて、ますますおいしさアップ。デニッシュ系のパンも3ヵ月ごとに季節商品を入れ替えています。

また、「ブーランジェリー ブルディガラ」では、新しいパンの開発にも余念がありません。「プティレ OSAKA あんバター」は、チーズを作った時に出るホエイをパン生地に使い、赤ワインに漬けたイチジク入りの白餡と、ゴルゴンゾーラ入りのバターをサンド。一口食べると、その組み合わせの新鮮さに驚きます。ホエイを再利用することで生地に乳酸風味がつき、旨味が増すだけでなく、サステナビリティという意味でも注目したいメニューです。

お店ではスイーツも数多く取り揃えています。季節の生ケーキのほか、ギフトにもぴったりな、フロランタン、パルミエ、ビスキュイ、フィナンシェ、ガレット・ブルトンヌ……。マカロンとムレスナティーの詰め合わせも好評。スイーツのなかで特に人気があるのは、「パン・オ・セック」。薄く切ったバゲット生地にたっぷりと塗ったお砂糖がキャラメル状に溶けたほろ苦い大人の甘さのラスクです。コーヒーやラテとの相性もよく、ギフトはもちろん自宅用にリピート買いする人がとても多いのだとか。

併設のカフェもあり、パンによく合うコーヒーや人気のムレスナティーなどとともに焼きたてのパンやスイーツを楽しむことができます。ランチタイムには週替わりのサンドイッチ、隔週替わりのクロックムッシュ、キッシュ、オーベルジュから選べるセットも用意。すべてにサラダ、スープ、プチガトー、ドリンクがついています。カフェは気軽に入りやすい雰囲気で、気分に合わせていろいろに使えます。ぜひ、日常を少し上質にするゆとりのひとときを、パンの香りとともにもお過ごしください。