英国サマセット州で、母親から得た500ポンドを資金に、ロジャー・ソール氏が1971年に創業した「マルベリー」。
　世界的なラグジュアリーブランドとなった今も、その職人スピリットとクリエイティビティは大切に受け継がれています。
　また、サステナビリティにも配慮し、二酸化炭素排出を最小限に抑えたレザーの開発に取り組むなど、英国のクラフツマンシップの矜持を守り続けています。

創業地英国サマセット州の自社工場で今も製品の50%を生産しています

英国サマセット州で1971年に創業した「マルベリー」。英国らしさをアイデンティティに、伝統とクラフツマンシップ、ユーモアと知性あふれるクリエイティビティ、遊び心とエッジの効いたデザインセンスが融合したコレクションは、次世代に受け継がれるべきものづくりの精神を体現しています。
　現在は全世界に120店舗を展開し、ロンドンにデザインスタジオを構える英国最大のラグジュアリーレザーグッズブランドに成長した「マルベリー」ですが、もともとは創業者のロジャー・ソール氏が母親から得た500ポンドの資金を元手に、自宅の台所テーブルから事業をスタートさせました。ブランドのシンボルマークである木のロゴは、通学路の脇にあった木をモチーフにロジャー氏の姉がデザインしたもの。「マルベリー」という名もその木にちなんで付けられました。ブランド初の商品となったレザーバックルベルトを発売後、オリジナルバッグやウェアを次々とリリース。さらに歴代のクリエイターたちが個性を生かしたレザーグッズを発表し、ヒット商品を生み出して、ブランドの地位を築き上げてきました。

「マルベリー」のレザーグッズの50%は今もサマセット州の自社工場で生産されています。「職人技や伝統を守りながら、日々新しい技術やセンスを取り入れること。そして自社工場と英国らしさにこだわることは、『マルベリー』の基盤とも言えます。従業員はほとんどが地域の人たちで、親子三代で働いているスタッフもおり、ベテランと若手が密に交流するアットホームな工場なのです。職人育成にも力を入れており、社会貢献も評価されています」と、マーケティングマネージャーの木戸はるかさんは語ります。

サステナビリティや地球環境にも配慮した新しい英国スタイル

「マルベリー」は初期から英国カントリースタイルをインスピレーション源としています。「アンバリー」には馬具を思わせる〈ライダーズロック〉を採用。「アイリス」には職人の手作業による編み込みハンドルを採用する一方で、パンクや建築物からも着想を得ています。今年は卯年を記念したミッフィーとのコラボレーションも話題となり、秋にはポール・スミスとのコラボバッグも登場。このように伝統的な英国スタイルと新しい要素を融合したアプローチが特徴です。

英国のポストマンが持つサッチェルバッグからインスパイアされた〈ポストマンズロック〉は、「アレクサ」や「リリー」、アイコン商品である「ベイズウォーター」など多くのバッグに採用されています。2003年の誕生以来、そのエレガントさや使い勝手の良さが多くの人から支持され、20周年を迎えた「ベイズウォーター」は、アニバーサリーの新作も注目のマト。また、「Made to Last」という新マニフェストに基づき、全モデルに国際環境基準団体の認証を受けたタンナリーから調達したレザーのみを使用しています。地球環境の保全やサステナビリティに企業として真剣に取り組んでいることが伝わってきます。

「ハービスPLAZA ENT店は『マルベリー』のフラッグシップショップであり、英国の雰囲気を感じながらゆったり買い物をお楽しみいただけます。商品を実際に見て、身につけることで品質の良さや耐久性も実感していただけると思います」と、店長の坂口夏子さん。ぜひ足を運んで、そのコレクションと世界観に触れてみてください。