2020年12月04日
[ショコラティエ パレ ド オール]オーナーシェフ 三枝 俊介さん プロフィール
大阪出身。“味のプラザ”と呼ばれた大阪の名門「ホテルプラザ」で、日本洋菓子界の重鎮、故・安井寿一に師事。1996年渡仏。リヨンの「ベルナシオン」で故・モーリス・ベルナシオン氏の薫陶を受け、2004年に関西初の本格ショコラティエを開業。全4店舗を展開する。趣味は観劇。[大阪四季劇場]を擁するハービスには縁を感じている。
当初、チョコレート専門店の『パレ ド オール』は、パティシエの仕事の中の一部門で、ほかにもケーキや焼き菓子など、4ブランドを展開していました。ところが、ショコラティエを始めてみたら奥が深く、掘っても掘っても底に行き着かない。チョコレートを追求するため、ほかのブランドは、すべて閉鎖しました
多くのショコラティエが、チョコレートメーカーからクーベルチュールチョコレートを仕入れて加工しています。私も最初はそうでしたが、メーカーのレシピまでは分かりません。チョコレートは産地ごとで味が全く違います。異なる産地のカカオをブレンドし、豆から自分の作りたい味を作る。それが本来のショコラティエでは? と感じ、“ビーントゥーバー”に取り組みました。それに、産地から仕入れたカカオ豆をフランスで加工し、そのクーベルチュールを輸入して日本でチョコレートを作っていると、二重にお金がかかる。すべて自分たちで作ればカカオやチョコに旅をさせることもなく、コストも省けます
産地で農園や発酵などの過程を見て、生産者と接点を持ちながらチョコレートまで作っている人は少ないでしょうね。一度、メインのカカオ豆が輸入できなくなる危機もありましたが、現地を訪れ、新しい経営者と契約し事なきを得ました。結果、私たちのチョコレートは大きく変わることなく、幸運なことにさらにおいしくなりました
これまでホワイトチョコレートだけはメーカーから原料を仕入れていましたが、昨年、東京にホワイトチョコレート専門店を作りました。“ビーントゥーバー”の自家製ホワイトチョコレートは驚くほど豆ごとに個性があります
吹田市の工房にて、手作業でチョコレート作りを行う。カカオ豆は山梨・清里の工房で加工しており、三枝さんが月2回足を運んでブレンドのレシピを考案。ベルナシオン氏直伝のショコラにして、店名にも掲げたスペシャリテ「パレ ド オール」(フランス語で「金の円盤」)は、仕上げに金沢の金箔を一個一個デコレーションする。4月に発売された最新作は食べやすい小分けのタブレット。腸で働くナノ型の乳酸菌を一千億個入れたサプリメント感覚のショコラだ。
カフェ、チョコレート
ショコラティエ パレ ド オール
CHOCOLATIER PALET D' OR
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